2020年10月14日水曜日

【映画評論】 「人数の町」(荒木伸二監督)の感想

以前の記事でも書いたのですが、高校の同級生が50歳になって、映画監督デビューしました。本日、時間を見つけて、新宿の映画館(武蔵野館と言うとても小さな映画館)で、やっと見てきました。
まあ、50歳で映画監督デビューして、何だかんだ言って、全国ロードショーになる映画を製作したのだから、とてもカッコいい!
そこは、まず素直に称賛したい。

これが、映画の予告編です。

主人公の俳優(中村倫也)と女優(石橋静香)は、良い演技をしますね。

石橋は透明感がありながら、芯の強さを併せ持つ、非常に稀有な女性だと思う。中村の方は、「カイジ」シリーズで主人公をやると嵌ると思う。(間抜けだけど、愛すべきキャラを上手く演じていると思う。)

映画自体は、韓国映画のパラサイトみたいに、「社会を風刺するとか象徴する」と言う映画であり、前衛的と言って良いと思う。とは言っても、解釈はパラサイト程は難しくなく、多数決とかマジョリティが支配する社会の恐怖を表現しながら、「現在の社会も、顔の無い多数派によって、塗り固められた虚像なのではないか?」とか、「我々自身も、マジョリティーに流され、日常の安逸に胡坐をかいて生きているのではないか?」を世に問うていると解釈しました。

まあ、個々人の好き嫌いの話に帰結するのでしょうが、社会を風刺する的な映画は正直好きではありません。貴公子は、楽しい映画とか元気になれる映画が好きなので、貴公子的には、「まあ、そういう見方もありますよね。」と言う感想以外は持てなかった。

周囲の他の観客を見ると(小さい映画館なので、30人くらいしかいなかったが)、如何にも「思想オタク」みたいな人ばかりで、そういう人には、面白いのかも知れませんが、貴公子的には、ちょっとねえと言うのが正直な感想ですなあ。

さすが、東大でフランス芸術かなんかを学んだだけあって、理屈っぽい映画なんだよなあ。。。尚、同級生の名誉の為に言っておきますが、映画評論家からの評判は良い様ですので、観る人が観れば、きっと素晴らしい映画なのだと思う。

そんな映画でした。


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