2016年2月7日日曜日

日銀のマイナス金利政策を読み解く。

先日、数年前までバリバリの政治エリートであった方との少人数での座談会みたいのがあり、貴公子も出席してきました。
一回り以上、年上の方で、現在は政治中枢部から離れ、別の道を歩んでいる方です。
兎に角、大物なのですが、一見、ごくフツーのビジネスマンに見えます。
今まで、こういう政財界の大物数名と、パーティとかで会ったことはあり、その都度、少し言葉を交わすのですが、こういうレベルの人は、皆、全然、フツーですね。
どこにでもいる感じのおっとりしたオジサンの感じで、キレ者にも見えないし、自己主張が強い訳でもありません。
まあ、表面を見ただけでは、人間と言うのは分からないということですねえ。。。

そんな事を考えながら、先週の日銀のマイナス金利政策を改めて眺めてみました。

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先週は、日銀のマイナス金利導入で大騒ぎとなった一週間でした。
日銀の黒田総裁は、あくまでも物価上昇(インフレターゲット)を目指した金融政策と言う立場からしか説明しないし、大手メディアもその観点から報道しないので、多少とも金融を知っている人から見ると、虚無感に陥ります。
貴公子自身も、「なんて単純で、無為無策なんだ。」と、半ば呆れておりました。

そもそも、資金需要が伸びないのは、金利が高いからではなく(ここ10年以上、既に十分に低い)、設備投資需要が盛り上がらない投資環境全般(強い規制とか)が理由である。
あるいは、「不動産担保主義に未だに固執する市中銀行の頑なな20世紀型の融資姿勢」により、真に資金が必要なベンチャーに資金が回らない等の構造的な理由が主因です。

よって、金利なんかいくら下げても、資金需要なんか盛り上がらない訳で、マイナス金利まで実行しようとする日銀は、「なんて頭でっかちで、融通が利かない集団なんだ。」と思っておりました。

しかし、日経ビジネスの日銀のマイナス金利がフィンテックを加速!? を読んで、日銀のマイナス金利政策の意図が良く理解できました。

>欧州各国では、金融仲介機関としての特権を享受してきた銀行に対し、規制による参入
>障壁を徐々に緩和するなど、マイナス金利が当局の重い腰を挙げさせたきっかけの一つ
>とされる。

要は、下記のシナリオとのことです。

マイナス金利を実行する事で、意図的に市中銀行の収益を悪化させる。
→ 銀行業界の変革を促す。
→ Fintechを駆使したコスト削減の必要性を市中銀行が痛感する。
→ 結果として金融革命が我が国でも発生する。
→ 最終的には利用者の利便性にも繋がる。

なるほどねえ。。。
世の中は、表面的に眺めているだけでは、裏で進行している意図は見えませんね。。。。
Fintech(Finance X Technology)の衝撃は、今や世界革命的であり、ITサイドからFintechを支える立場にいる貴公子には、その衝撃度はよく理解できます。

黒田日銀総裁は、日銀総裁の立場から、財務省とか金融庁が管轄の金融行政に喧嘩を売りましたねえ。。
一見、無策のマイナス金利政策に見えつつも、裏では、我が国の頑な金融行政を根本から破壊しようとする破壊者ですねえ。。。
正に、国士と言えるかも知れません。


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