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2016年8月15日月曜日

雑感!

この週末、斡旋収賄罪で逮捕された元外交官の佐藤優の「国家と神とマルクス」と言う2007年に発行された本を本棚に見つけたので、読み返しておりました。


P223からの抜粋
>予見可能な将来において、国家を超克することは不可能です。この前提から始める
>べきだと思います。
>ただし、一つの可能性として国民国家の超克はあるかもしれない。現にアメリカが
>推進しているグローバリゼーションは国民国家の超克につながるかもしれない。

2007年当時は、貴公子もそう思っておりました。
国民国家の超克はあり得るし、そうしないと国家も企業も生き残れないと考えていたし、社会もそういう風潮であったので、国民国家的なナショナリズムを嫌悪していました。

ただ、ここ数年は、世界的に、孤立主義とか国家主義が台頭しており、1990年代から始まったグローバル主義とか国際協調路線に危機が到来していると思っております。

2000年代初頭に、米国はBush大統領の下で、中東の民主化ドミノ論を展開し、その後、アラブの春へと連なったが、今となっては、中東諸国はテロ組織の巣屈となったり(イラクやシリア)、独裁政治国家(エジプトやリビア)が台頭し、米国の思い描いていた様には全くならなかった。
英国のEU離脱決定に象徴される様に、グローバルレベルでの協調体制は、最近、ことごとく失敗しており、その虚無感が、孤立主義とか国家主義へと民衆を導いていると思っております。

米国共和党大統領候補のTrump氏は勿論であるが、民主党候補のHilary Clinton氏までもTPPに関して、否定的な発言を繰り返しております。
ただ、こうした国家主義的な考え方は、現在の世界的潮流とさえなっていると思うが、このトレンドも、そう長くは続かないと思っております。

最近読み終えた、アメリカの支配者と言われるコーク一族を描いた本、Sons of Wichita です。


基本的に、コーク一族に好意的であり、この超エリート一族の家族事情が興味深く書かれております。

P370に、下記の記載があります。
>Carnegi and Mellon are not remembered for the rape and pillage of our environment
>or the way they mistreated people. They are remembered for the contributions
>they've made financially as philanthropists. There is a long history of people who
>profit through other people's detriments and who also do a lot of good in different
>ways, and I think that's what will happen with the Kochs.

「あこぎにカネを稼いでも、その金儲けの過程は後世では看過され、その汚金の一部を使ってなされた慈善事業が後世では評価の対象となる。コーク家も同じだ。」との見解ですが、こうした意見は、拝金主義を助長しますねえ。。。

「勝てば官軍」と言う思想で、アメリカ人のエリート層の思想そのものかも知れません。
ただ、コーク家が主導した、ティーパーティー運動も、結局、尻すぼみであったし、今年11月の米国大統領選挙でも、さすがに共和党候補のトランプはダメでしょうから(そもそもトランプ候補に思想があるのかと言う論点があるが。)、こうした新自由経済的な思想も、21世紀には古いのかも知れません。
その意味で、きっと、コーク家の思想も時代遅れなのでしょう。

一方で、お隣の国、韓国のエリート紙、朝鮮日報の記事です。
朝鮮日報日本語電子版 → 【コラム】韓国は強者に屈しない「オランケ精神」を忘れたのか

> だが残念なことに、数年前から私たちの「オランケ精神」は急速に衰退し、
>朱子学的な思考の亡霊が再び現れている。1人当たりの年間所得が
>3万ドル(約310万円)にも満たない状況で「成長より分配に尽力して
>二極化のない平等な社会を築こう」と主張する経済民主化論がそれだ。
>これにより企業家精神は薄らぎ、公務員や公企業、医大が若者の間で
>大人気となっている。安定や順応、排他にこだわり亡国に至った朝鮮王朝時代を
>思い起こさせる。

経済発展が、ある段階を超えると、「オランケ精神」は衰退し、社会民主的な思想が広がるのは、止むを得ないと思う。
ただ、この記事が指摘する様に、分配と公平を標榜する「朱子学的な思想」では、国際経済競争で勝ち残れないのも事実であり、適度な兼ね合いが大切なのでしょう。
つまり、シロでもクロでもなく、灰色部分での決着が必要なのでしょうね。

現在は、冒頭に述べた様に、国家主義とか孤立主義が世界的にはびこる一方で、各先進国内では同時に、社会民主思想も急速に広がっており、非常に複雑な社会情勢となっております。
国家主義と社会民主思想の組み合わせは、貴公子の浅い知識で言えば、1930年代のドイツ第三帝国で採用された思想セットであり、ちょっと不気味ではあるが、この辺の思想的な整理が、改めて必要なのでしょうね。

ビジネス界で最近言われている、ワークライフバランスの概念が、キーになると個人的には思っておりますが、この概念を経済思想レベルにまで、昇華させるロジックを見たことがありません。
今後、その辺を注視してゆきたいし、出来れば、そこを理論構築したいですねえ。。。

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