2015年2月28日土曜日

【呑み会】 機械系エンジニアとの 呑み会で、考える。

今週は、呑み会がいくつかありましたが、某大手エンジニアリング会社で、20数年、エンジニアをしている人との呑み会が衝撃的でした。
彼は貴公子よりも、若干、年上ですが、まあ同世代と言っていいでしょうね。
彼との呑み会は初めてでしたが、一言一言が衝撃的でした。

エンジニアX氏   「俺が、入社した頃の1990年代初頭は、俺の会社は、非常に利益率が高かった。世界で、ああ言う技術を持つ会社は、ごく一部の先進国の数社だけだったしね。」

貴公子 「90年代初頭と言えば、IT技術が一般企業に広がる前のアナログ時代だから、職人技がモノを言ったという事か?」

X氏 「まあ、そうだね。アナログ世界だから、技術習得に10年位は掛かった。まあ職人の世界だね。新入社員を、10年も根気よく、「新人教育」できる企業なんて、途上国にはないから、どうしても先進国企業の独占となっていた。」

貴公子 「先進国の数少ない企業による寡占状態で、利益率も高かった?」

X氏 「まあ、そうだね。例えば、当社では、あの頃は、新入社員が、ソウルみたいな超近場に出張に行く時にも、Business Classを使っていた。今じゃ、役員だって、エコノミーに乗るのにねえ。。。」

貴公子 「そこだよ。そこ。これが、良くも悪くも、IT技術の力なんだ。つまり、アナログ世界では、10年の教育とか経験が必要であった作業を、ITを駆使する事で、数ヶ月で、ある程度なら、出来るようになった。専用のアプリを使うとか、そういうITツールを使う事で、標準作業なら、遙かに簡単にできる様になった。」

X氏 「IT技術に加え、グローバル化も大きい。外国人エンジニアが、簡単に国境を越えるから、それなりに専門性が必要な作業でさえ、わざわざ、人件費の高い、日本人に依頼する必要がない。インドとか中国と言った、中進国の人間を日本に呼んで、やって貰った方が、彼らの滞在費を考慮しても、結果的には安い。」

貴公子 「そうかも知れない。いや、きっと、そうなんでしょう。じゃあ、これから、日本人は、どうやって生きていけば良いのだろうかねえ。モノを作りは、デジタル化の中で、直ぐに外国に模倣されるからね。今、突然、脚光を浴び始めた水素技術の様な、超最先端技術を開発し続けるか、企画とか戦略立案と言ったビジネス戦略を、追求するしか、先進国の生きる道は、ないかも知れない。現に商社なんかは、海外戦略投資に特化した投資会社みたいになっていて、従来の貿易仲介業からは完全に手を引いている訳で。」

まあ、こんな感じの飲み会でした。
産業の高度化が、先進国で求められている理由を、腹の底から理解しました。
勿論、X氏の会社は、今後も存続するでしょう
ただ、グローバル展開しているX氏の会社の給与は、グローバル拠点間で平準化してゆくでしょうね。
そして、それはX氏の会社だけではなく、産業の高度化に対応出来ないすべての企業が、歩む運命でしょうね。
10年くらい前に、大前研一が、予想していた事が、急に現実化してきましたねえ。。。

まあ、厳しい時代です。

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