2022年1月29日土曜日

【自壊する祖国】10日間、考え抜いた上で本記事をアップします。広くコメント求めます。

久しぶりの更新になります。

更新が遅れたのは、とても仕事が忙しかったのもあるのですが、凄い事に気が付いて、ここ1〜2週間、ずっと考えていたからです。今、やっと頭の中で整理つきました。IT技術者、国際ITビジネスマン、米国公認会計士として、知識と経験の全てを曝け出して、下記記事をアップします。広くコメント求めます。

<序文>

10日ほど前に、日経が報じた下記記事がずっと引っ掛かっておりました。

1/19の日経記事 → Microsoft、メタバース覇権へ布石 ゲーム大手8兆円買収

衝撃的な内容です。純利益年間2000億円程度のゲーム開発会社を、8兆円近くで、マイクロソフト社が買収すると言う記事なのですが、高過ぎるだろう!というのが、第一印象でした。ただ、よくよく考察していると、本事案は、21世紀ビジネスの象徴の様な気がしてきたので、下記に考察します。

1.

最初に言いたいのは、この買収劇を理解するには、国際ビジネス、IT業界動向、そして会計知識が必要なのではないか? という事です。最初の2つは、「そりゃあ、そうだろう!」と多くの人が思うと思いますが、会計知識については、イメージできないと思います。従って、まず、会計的な説明したいと思います。

2.

この買収劇が象徴するのは、「21世紀の高度情報社会では、従来の会計手法は死んだ!」という事だと思う。

どう言うことかと言うと、基本的に(乱暴な言い方をすれば)、財務会計の世界は、原価計算が元になって発展したと理解しております。つまり、19世紀後半から20世紀に掛けての工場での物理的な大量生産時代の会計手法をバックボーンとしている。勿論、会計基準は時代と共に進化しており、最近は知的財産やブランド力(のれん)も反映するようにはなっているが、あくまでも20世紀型の大量生産社会時代の会計手法をバックに持っている。

3.

原価計算では、例えば、「ある商品を1000円で販売した。原材料費は150円で、労賃は1個当たり200円であるので、直接費は1個当たり350円。」とかと計算する。更に間接費として、生産機械の原価償却費や電気ガス代等の光熱費、更に工場家賃等の間接費を差っ引いて、例えば、販売1個当たり、100円の限界利益があるとかと計算します。

4.

基本、こんな感じなので、企業買収時には会計学的は、非買収企業は、土地をどれだけ持っているか?、工場生産設備の時価評価額はいくらか?、保有している特許の価値は?と言ったモノを積み上げて、そこから貸借対照表の負債項目(借入金、買掛金等)を差し引いて、適正価格を算出しております。

5.

ただ、そんな手法は、上の記事のマイクロソフト社での買収では多分、一ミリも採用されておりません。非買収企業のゲーム開発メーカーは、土地とか自社ビルなんてほぼ持っていないでしょう。(仮にあったとしても、MS社が土地代やビルの時価を考慮した筈がない。)

では、何を考慮したか?と言うと、記事中にもサラッと書いてあるが、結局、ゲーム開発エンジニアのスキル(コーディング力)を、8兆円と査定した訳です。

>ゲーム開発者も取り込める。ゲーム人材は仮想空間の構築に詳しい。エンジニアの獲得競争が激しいなか、アクティビジョンの人材を得たことは大きい。

6.

さて、少し話は変わりますが、下記は、貴公子自身が去年6月にIT技術者向けのサイトにアップしたコードです。

月初エクセル集計処理を完全自動化し、100人日掛かっていた作業を一秒で処理した話。【完成版】

勿論、原価ゼロ円です。(Pythonコードは全てネットでの独学で学んだし、書籍代さえも、殆どかかっておりません。コーディング時間は何十時間か掛ったが、まあ個人の趣味なので、ブログ更新と同様で無報酬です。

ただ、原価がゼロだからと言って、上のコードが無価値か?と言えば、そうではないと思う。このコードを使うことで、人間スタッフの4〜5人分の月間作業が、一秒で出来る様になりました。処理データがもっと多くなれば、冗談ではなく、1万人分の人力作業が一秒で、しかも精確に出来る様になる訳です。どうですか? 原価ゼロだけど、価値は10億円あるとも思っております。笑

7.

結局、MS社は、ゲーム開発会社のプログラマーの価値を、8兆円と見込んだ訳です。これは既存の会計担当者の観点では全く理解できない事だし、もっと言えば、従来の会計常識を完全に超越したレベルでの投資判断です。これは、貴公子の上のコードは、多くの人から見れば、無価値なコードでしかないが、見る人が見れば、10億円の価値があるのと同じです。MS社は、このゲーム会社のエンジニアの能力を、記事にもある様に、メタバース時代の到来を考慮した上で、8兆円と査定したと言うことになります。

8.

長々と書きました。要は、この超情報社会のリアリティーは、見えている人(会社)にしか見えていないと言う事だと痛感した。そこから派生するが、従来の会計学は、残念ながら、ほぼ役に立たなくなってきている。


<最後に>

この記事は、IT技術者、国際ITビジネスマン、米国公認会計士としての自身の経験を結集して書きました。全ての価値観(会計基準さえも)がひっくり返っている時代であリますが、逆に、我々の様な「持たざる庶民」には、正に千載一遇のチャンスの時代であり、超素晴らしい時代に生きているとも言える。

ビジネス界を、下克上の精神で、ひっくり返しましょう!

1 件のコメント:

  1. コーディング力にMSが今投資したということは、これからコーディング力をつけていってもチャンスがある、ということでしょうか。これからキャリアを考える観点でも重要なイベントだったのですね。

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