2010年1月17日日曜日

激闘マニラでの4年間 (第4章。マニラ生活での心構え。)


お断り: 誤解の無い様に断っておきますが、私は、何だかんだ言っても、フィリピンは好きだし(だから、4年間も住んでいた。)、日本人にはない、フィリピン人のいい所も理解しているつもりです。従って、記載内容に関わらず、フィリピンを侮辱している意図はありません。だだ、国際勤務の現実を紹介したいと言う意図のみがあります。
 

突然ですが、鈴木宗男事件で有罪となった元外務省主任分析官の佐藤優が書いた本は、
処女作「国家の罠」も含めて、ほとんどすべて読みました。
知的に面白かったし、特に「国家の罠」で強調されていた「検察にハメられた。」との主張は、ある意味正しいのでしょう。
昨日も、政界で民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体の元秘書が3名逮捕されましたね。
その中でも、主犯格の石川知裕衆院議員も、「検察にハメられた。」みたいな事を言っております。
 
私がマニラで月給3万円で、サラリーマンをやっていた頃、至る所で、トラップ(罠)をかけられました。
実際に、騙されてそれなりに痛い目にあった事も何度かあります。
ただ、私は「ハメられた」とか言って、大騒ぎするつもりはないですね。
その意味で、私から言わせれば、佐藤優にせよ、石川知裕にせよ、見苦しいと言い切ります。
と言うのも、ハメられる前に、知力を尽くして、自己責任で危機を回避するのが、ビジネスマンとしての腕の見せ所であるからです。
また、仮にハメられたとしても、それは自分が危機管理能力の貧弱さを反省すべきで、声を大にして、
他人に責任転嫁をするのは、本末転倒です。
 
私のフィリピンでの生活もそうでした。
「最終的には、誰も助けてくれない!」と最初の数カ月で、肝に命じました。
それどころか、最初の100%フィリピン資本の比国企業でIT営業マンをしている時には、
「ごく普通」に手柄(売上)は、同僚に横取りされました。(笑)
ただ、「外国で、何のバックもない外国人が外国企業に勤務をすると言うことは、そんなモンだ。」と思っていましたので、何とも思いませんでした。
つまり、差別されたり、侮辱されたり、騙されたりするのは、当たり前だと思っていたので、差別された事を、当時も今も、別に恨みには思っておりません。
むしろ、「世界の現実を教えてくれた。」と感謝したいくらいです。(笑)
 
「なぜ、そう思うのか?」と言われれば、理由は簡単。
「外国人だから、差別されるのはDefault。ただ、それだけ。」と何度でも答えます。
逆に言えば、「差別されたり、ハメられたりするのがDefault」だと思っていたので、たまに少し親切にされたりすると、結構、感激したりしましたね。
因みに、この時のシビアな経験は、後に上海で2年勤務する事になったと際にも役立ちました。
 
私の長い海外勤務の経験から、海外勤務の適性がない人間と言うのは、簡単に見分けられます。
一言で言えば、「外国人だから、差別されたり、煮え湯を飲まされるのが当たり前」と割り切れる、いい意味での「単純な人間」がどうかが重要です。
その意味で、佐藤優みたいに、ハメられた後で、「論理的におかしい。」なんて公言する様な理屈っぽい人間は、基本的に海外勤務に向かない。
 
兎に角、こうしたマニラ生活で、適度に騙されたりしながらも、決定的には、ハメられることはありませんでした。
色々な人間(フィリピン人も日本人も)が、近づいてきて、利用しようとしたり、金をだまし取ろうしてきましたが、
大きく騙されたり、決定的にハメられる事は無かったですね。
「その場の状況に応じて、自力で切り抜けるしかない。誰にも頼れない。」と常に心に刻んで、行動しておりました。
 
次回の更新では、具体的な問題に関して、どう対処したかを具体的に記載したいと思います。

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