2019年9月1日日曜日

「説明しないと分からないと言う事は、説明しても分からないと言う事だ。」

確か、村上春樹の小説に出てきた言葉だと思う。
先日、ある同僚が、会社の愚痴を言いながら、「どうして、あんな簡単なロジックがわからないのかな。。」と落ち込んでいたが、貴公子からすると、「説明すれば、分って貰える。」と思うこと自体が、とても甘い。

貴公子も、30代までは、「どうすれば、会社の危機を理解してもらえるか?」と常時、問題意識を抱えており、社内で説明して回っておりました。
その為に費やした時間や労力は、半端ではありません。
一例として挙げるならば、「毎週水曜日は、会社同僚等の飲み会を通じて意見交換する。」と称して、毎週休むことなく、水曜日飲み会を3年以上続けました。

しかし、甘かったです。
「一万言を費やしても、分からない人は絶対に分からないし、そもそも、他人のロジックを多くの人は、理解するつもりもない。」と言う事が、40歳を前にやっと分かりました。
以降は、「他人にわかってもらおう。」と思うこと自体を一切、止めました。
根底には、「分かる人とは、何も話さなくても思いを共有できる。」と思っております。
こう考えてから、人生、とてもラクになりました。
他人に理解を求めると言うのは、かなり重労働ですからね。

今の会社に転職したのは、40代半ばで4年前の事ですが、今の会社では会社飲み会にも、殆ど参加しないし、そもそも、仕事の進め方で議論をする事も殆どありません。
「自分のロジックは、所詮、一人よがりのロジックでしかなく、普遍性があるものではないので、それを他人に説明するのが、そもそもおこがましいし、仮に説明した所で、誰も(勿論、貴公子も)、他人のロジックを素直に受け入れるほど、素直ではない。」と心底、思っているからです。
よって、必然的に会社の飲み会でも話すことが無く、芸能人の話くらいしかすることがないので、そもそも飲み会に参加する意味を見出せない。

まあ、逆に言えば、いい年した人が、「そこは気が付きませんでした。私が間違っておりました。あなたの言う通りです。」と素直に言ってきたら、怖いですよね。(笑)

「説明しないと分からないと言う事は、説明しても分からないと言う事だ。」とは良い言葉です。
あの同僚には、この言葉を贈りたい。

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