2023年5月28日日曜日

【2030年の真実】我々の様な大衆視点から、2030年の世界はどうなのか?

近未来マクロ動向は、下記記事で予想した通り。

 【若者へ】どうしても、これだけは言っておきたい!

ただ、我々の様な大衆視点からどうなのか? を纏めてみました。 誤解して欲しくないのは、不安を煽りたい訳でも面白がっている訳でもなく、ただただ若者に生き残ってもらいたい。非常に苛烈な時代が来る。

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【2030年の真実】

主人公は、43歳の平均的サラリーマン高橋直人氏。家族はパートの妻と小学生娘1人。勤務先は、タイの財閥系メーカーに買収された旧日本企業の大手製造メーカー(現在は、タイ資本の70%子会社)。


都内の中の上程度の私大で機械工学を学び、修士まで取得。2012年に新卒で前身の大手機械メーカーに新卒入社。(この時は、日本企業だった。)


・入社後は購買や企画等も一通り経験したが、その後は、ほぼ一貫して、自社工場での生産管理担当。入社当時から、あまり景気の良い話はなかったが、2025年にグローバル競争で完敗し、現在のタイ資本に会社ごと買収され、今に至る。現在の役職は、生産管理課長。


・勤務先は、静岡市郊外。数年前に、静岡駅近くの中古マンションを3000万円で購入。ローン支払いは、月18万円。


・田舎の中古15年マンションなのに、3000万円は高いと当時思ったが、富士山に近い事と東京へ新幹線で一本であることから、外国人が別荘代わりに、静岡駅前マンションを買い漁ってあり、価格は上がりぱっなし。最近、静岡駅直結のタワマンが売りに出されたが、全部屋2億円以上との事。(購入者の8割は、中韓台および東南アジアの人と聞いた。)


年収は、日本人平均プラスアルファの550万円。ここに妻のパート代が加わり、世帯年収は750万円弱。タイ資本に買収されて、多くの同僚の給与が下がる中で、修士と言う肩書きがモノを言い、若干、給与が上がり、課長にもなった。


正直、東大学士卒の人間よりも、中堅大修士の自分の方が、「高学歴」とされるのは、少し恥ずかしくも感じるが、これがグローバルな学歴評価と理解。


・タイ資本子会社とは言え、社長は日本人。ただ、生産部門で実権を持ち、東京本社も含めて力を持っているのは、タイ本社から派遣された工場長(本社副社長)。高橋氏の2つ上の上司にも当たる。タイの名門大学を出た30歳そこそこの若者で、タイの財閥の縁戚との事。優秀なのだが、人間的に不誠実で、あまり好感は持っていない。今日も、日本人のベテラン工場スタッフが、この工場長と仕事の進め方でぶつかり、クビになってしまった。


娘の塾代が嵩むこともあり、独身時代のわずかな預金を取り崩して何とか遣り繰りしている。


時代背景: 

・2030年には、ほぼすべての日本企業は、外資の下請け生産拠点や営業拠点となっており、企画部門や開発部門自体が国内からほぼ消滅。


・為替は、一ドル250円。年金支給は75歳から。社会保険料と税金で、平均的リーマンの月収の40%近くが飛ぶ。


・ 物価が安く観光資源が豊富な日本には、世界中から外国人観光客が殺到。外国人観光客が、羽振り良さそうに繁華街を闊歩。


・これと言った強みとなる産業がない日本は、インバンド観光業に活路を見出すが、参入する同業者が多すぎて、価格競争と過剰サービスが常態化し、多忙な割に儲けは少ない。


・日本企業は、安価で高品質な製品を下請け製造する世界工場として、世界市場での評判は良い。ただ、近年は、インドやナイジェリア企業との生産競争が激化して、更なるコストダウンが必要と、経団連は主張。


・ 貧困国化して、社会全体がギスギスしている。


高橋氏の会社やキャリア

・ 24x365で、タイ人ボスからメールや電話が飛んできて、慢性的睡眠不足。


・ 英語はそこそこ話せるが、社内で生き残りの為にタイ語も勉強中。(ますます睡眠時間が削られる。)


・「安く速く、でも高品質に!」がタイ本社から求められている。仕事に独創性や技術開発力は必要とされないので、その意味ではラク。ただ、給与もタイ本社の同年代に比べ、半分以下と言う薄給。


・ 製造子会社として、本社からの評判は良いが、利益はすべてタイ本社に落ちるので、A氏の会社には旨味はない。


・ 厳しい品質基準をクリアし続けても、タイ本社の要求は年々厳しくなる一方なので、精神的に辛い。今日もタイ人上司から罵倒された。


・ タイ本社からタイ人スタッフが、たまに来社して講演し、ブランド戦略を説明するが、生産現場には関係ない上流工程の話で、講演中はみんな退屈そう。ただ、親会社の人間だから、対応に非常に気を遣う。タイの歴史文化を学んで、おべっかに使っている。


・ 因みに、勤務先の工場は富士山にも近く、夏の登山シーズンには、タイ本社のタイ人が何かと理由をつけて、工場にやってくる。「誰が、彼らと富士山登山をするか?」はいつも社内で問題となる。金曜日の夕方にタイ人と富士山麓の温泉旅館に泊まり、翌土曜日に丸一日かけて上り下りするのだが、高橋氏にとっては、会社経費で温泉旅館に泊まれる訳で、正直、ちょっと嬉しい。出張タイ人が家族連れで来日するときは、自分も家族を連れて行くので、

ちょっとした旅行気分も、"タダ"で味わえる。そんな訳で、富士山には、既に30回以上、登った。


・ 外資となり、「能力やヤル気のない奴は去れ!」と言う雰囲気になっており、社内雰囲気はギスギスしている。


高橋氏の日常

・新婚旅行で沖縄に行ったのが一生の思い出。海外旅行は夢。


・仕事関係のドキュメントは読み漁るが、金銭的余裕も時間的余裕もないので、趣味の美術館巡りや読書は何年もしていない。


・自動車は地方生活に必須。ただ、新車でのテスラや現代等の高級外車を購入は不可能。今や倒産した日本メーカー製の中古10年落ち軽をローン購入。


・父親世代は、週末ごとにゴルフに興じていたが、A氏には、そんな金銭的精神的余裕がない。週末のジョギングだけが至福の時間。


・娘の誕生日には、ホテルランチ等は奮発したいが、家族ランチ代の10万円は痛過ぎる。ケーキを買って家で食べる程度が現実的か。


・週末に酒は少し飲むが、ビールどころか発泡酒も今や高値の花。パック入りの日本酒を買って、一ヶ月位掛けてチビチビ飲む。


・独身の時に毎日の様に通っていたスタバは、今や贅沢品。会社経費で落とせる場合は商談で使うが、個人で行くことは皆無。


・産後は体調を崩し、妻も病気がちになった。2人目の子供が欲しいし、妻も希望しているが、妻も40歳に近づいているし、病弱な上に、経済的要因もあり、現実的ではないと最近は、思っている。(一人娘をしっかり教育しようと思っている。)


・家計の為に無理して働いている妻には、頭が上がらないが、ここ何年も誕生日の贈り物ができていない。妻の誕生日には、妻が学生時代に夢中になっていた高級スキーセットとニセコホテル宿泊券をプレゼントしたいが、金銭的時間的な余裕もない。代わりに、ナイキのWalkingシューズを買って、週末は家族で近所を散歩しようと思う。


高橋氏の夢

・ 家族での海外旅行。南国のバリ島、ハワイ、モルティブとかに行ってみたい。ただ、金銭的にも精神的に余裕はなく、今はとてもとても。

一方、評価が高い社員は、タイ本社でのパーティーに家族連れで参加する事が許されるので、そのついでに、プーケット島とかで過ごしたいと思っている。


・ 娘は、ピアノや絵と言った芸術的科目が得意。本当は、ピアノも本格的に勉強させたいし、音楽系の私立校に通わせたいがそれは無理。県立の芸術高校に音楽科があるので、そこに入れたいと思っている。卒業後は、ピアノを生かして保育園の先生とかが現実的と考えている。


・ 学生の頃は、自動車好きの父親が所有するポルシェを乗り回しており、自分もいつかはフェラーリに乗りたいとの夢はある。ただ、現実の自分は、現在の10年落ちの中古軽の維持費に四苦八苦している。次の車であるが、インド製のEVが最近、安価で高性能という事で日本国内でもシェアを伸ばしているので、それが欲しい。ただ、タイ本社の取引先であるタイメーカーのEVを購入しないとタイ人上司から睨まれそう。タイ車は、インド車より高いので、ローンを組めるのか? が少し不安。


  夏休みの家族旅行は、娘の希望で東京ディズニーランド。ただ、隣接のディズニーホテルは、非常に高く、とてもとても。妻と相談して、日帰りで自家用車で行こうと思う。朝イチから入場することを考えると、朝4時起きで運転すれば良い。高速料金節約の為に、下の道で行こうかどうか?を真剣に考慮している。


  タイ企業の日本子会社に勤務している日本人だから出世は期待できない。(タイ語も話せないし。)日本資本の中堅製造メーカーから熱心な誘いを受けているが、今よりも待遇が悪くなりそうで、二の足を踏んでいる。米国系の企業に転職するのが、収入面からも仕事環境面からも良いと思うので、LinkedInに登録して、地味に機会を窺っている。


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