2011年8月2日火曜日

比国に限らず、外国は、それ程甘くない。

昨夜、ゴールデンタイムのテレビを眺めていて、驚いた!
「外国で、月10万円で、快適に長期滞在する。」という企画で、マレーシア等の国に並んで、比国セブも、快適に過ごせる土地として紹介されていた。

「日本人の老夫婦が、夫の現役引退を機に、比国セブにて長期滞在し、南国生活を、たった月10万円で楽しんでいる。」と言う事を、好意的に紹介しておりました。
番組の中では、「陽気なセブの人たち」と言う表現が何度か繰り返され、物価の安さが強調され、タガログ語は勿論、英語も殆ど話せないながらも、「快適な南国生活」を送る老夫婦が描かれておりました。

比国マニラにて、現地企業で勤務し、最終的に4年間、マニラにて滞在していた貴公子からすれば、
正直、この手の老夫婦は、非常に危なっかしい。
「現地を知らない。」と言う事は、ある意味、幸せな事であり、無邪気に定年後の生活を楽しむ姿に、羨ましささえも感じるが、物事はそう単純ではありません。

汚職警官からの脅迫、役人からの賄賂要求、街中での身体的な危険等、考慮すべきことは多数あり、現地で働く日本人は、多大な労力や金を払って、安全を担保しているのが現状である。
また、「陽気で明るく、素朴なフィリピン人」と言う表現も、「親切で礼儀正しい日本人」と言う表現が、必ずしも正確では無い様に、ある意味、幻想です。
ついては、そうした表現で、移住を煽るかの様なメディアの姿勢は、犯罪的であるとさえ思う。

トラブルに巻き込まれても、逃げ切るだけの胆力、ある程度の資金力、語学力(タガログ語はともかく、少なくとも高度な英語力)、そして何よりも、現地の有力者(私の場合は、マニラ警察幹部)や日本大使館への有力な人的なコネクションが無ければ、比国への移住などを簡単に考えない方が良い。
番組構成としては、よく出来ていたと思う。
あの番組を見て、真剣に移住を考える方もいると思うが、ノー天気に、移住する前に、一体、マニラだけで何人の日本人が年間、死刑になっているかを調べた方が良いでしょうね。

アメリカの様な先進国でさえ、外国は、外国であり、そうは甘くありません。
単なる数週間の観光程度なら兎も角、外国への移住などを考える場合は、表面的な美しい話だけではなく、裏のDeepな情報も十分に収集すべきと考えます。
何かの参考になれば幸いです。

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