2009年2月12日木曜日

若者Xへ。IT系の仕事へのお誘い!!!


趣味でやっているキックボクシングのジムで、一緒に練習している20歳前半の若者から、就職に関し、ちょととした相談を受けました。
彼の興味や得意な分野が良く分からなかったので、就職というよりも、就職活動に関するアドバイスしか与えられず、申し訳なく思っております。
 
そんな風に思っていたら、同じ様な相談メールを、先程、若者Xから受信したので、「拳友への罪滅ぼし」の意味を兼ねて、私の現在の仕事である「IT系の仕事」に関し、アドバイスと言うか現状説明をしようと思います。
 
若者Xよ!
心して読め!(笑)
 
以下に、ITの仕事を分類し、列挙します。
取り合えず、現在、あなたの興味のある分野へと進み、その後、その分野のSpecialistとなるか、Generalistになるかを時間を掛けて、決めれば言いと思いまず。
では、始めます。
 
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若者X へ
 
本論に入る前に、IT系の仕事の全体像を私の偏った経験から、説明します。
私は、某大企業で、Computer Network Security担当の中間管理職をしております。
必要に応じ、海外の拠点にもどんどん行き、そこで、現地ベンダーから機器購入をし、電源確保をし、現地回線業者とWAN構築のアレンジをし(英語で)、
最終的には、LAN構築とサーバー設定までをします。(基本的に一人でやります。)
 
と、如何にも何でも出来るみたいに偉そうに書きましたが、実はよく分かってないです。(笑)
私に限った話でないと思いますが、一般にITと一口で括られる「IT系の仕事」は、非常に多岐に渡るの
で、どんな頭の切れる奴でも、「専門分野以外は良く分からない。」と言う状態に陥ります。
私の専門は、LAN構築です。
ですから、FirewallやRouter設定と言った基幹Network構築と、サーバー構築のプロという事に、一応はなりますが、この分野は、技術進歩が早すぎて、どんどん範囲が拡大し進化していくので、日々、驚くことばかりです。正直、キャッチアップできていません。(笑)
(因みに、SIベンダーの営業マンが、「新製品が出たので、挨拶がてら会社に御紹介に上がります。」なんて電話がくると、ウキウキします。
と言うのも、日進月歩のITの世界では、新製品の話は常に驚きの連続で、営業マンの話は、とても勉強になるからです。)
 
IT系と一括りにされる中で、Network Security含む他分野と言えば、多分、以下でしょう。
(人によって、IT分野の分類法は変わりますし、なにせ日進月歩の世界なので、「新しい概念がどんどん増えてくる。」と言う意味で、「多分、以下の分類」と言う表現にしたいと思います。

1) 電源管理
この分野は、私独自の定義です。
普通のITエンジニアは、一般的に、既に電源が確保されたサーバールームで仕事をするので、あまり気を使うことは無いのですが、
私の様に、一日に何度も停電が起きる途上国の大都市や、砂漠の真ん中で、Network構築をする人には、電源の確保と管理はとても重要です。
一般には、電気の分野とされている。

私見 : 技術的難易度 : 電気工学自体は、とても難しいのでしょうが、ITに関わる範囲では、中低。

2) サーバー/PC Hardware
MemoryやCPU、チップの概念、RAID概念を正しく理解し、BIOSモードでの各種設定が出来て、KVMスイッチ等を適切に設定できて、一人前。
言い換えれば、自作PCを構築できるレベル。途上国の田舎で、サーバー構築をする際には、DellとかHPとかの完成品なんて手に
入れるのが困難な時もあるので、自作PCを構築できる能力は、海外で働く私の様なエンジニアには必須。
ITを仕事にする人には、「こんなの出来て当然!」と思っていたのですが、怪しい人が結構いる。
私見 : 技術的難易度 : 中。

3) LANケーブリング構築
ITエンジニアの中にも、ケーブル構築や管理を軽んずる人はいるが、一般のユーザーは、この仕事の重
要性と意外な難しさを、全然、理解できていない。
私も、海外のクライアント企業のLANを構築する際、「ケーブリングなんて、ケーブル引っ張るだけだろう。馬鹿でも出来る。何で、お前はそんな大騒ぎをしているんだ!」と
何度も怒鳴られた経験があります。
では、「そこそこのSI(システムインテグレーター)に依頼すれば安心か?」と言うと、そう単純でもない。
海外である有名SIにケーブリングを頼んだ際に、そのSIが、1フロア-全体にケーブルを張り終えた後、
このSIの仕事が全然ダメ(Networkが障害が起きる程の雑なケーブリングをされた)な
事に私自身が気が付き、土日に一人でフロア全体のケーブルを、貼り替えたこともありました。(涙)
侮れないJOBできちんとした管理が必要な割に、いつも軽んじられる分野だが、本当のプロは、このJOB
の重要性をよく理解しているので、本物のケーブリング専門業者は、プロのIT技術者の間でも、頼りにされる存在である。
私見 : 技術的難易度は中低。しかし、高い管理能力が合わせて必要。

4) LAN構築
私の専門分野。Firewall機器設定管理、ルーター機器設定管理、Proxy Server等の構築設定を含むインターネットSecurity、
またメールサーバー構築等も含むメールSecurityを含む。
最近は、従来のFirewallの上位概念である、アプリケーションFirewall等のより高位概念も出てきている。
プロトコル概念とか、IPアドレス、コンピューターウイルス、バックアップシステムに関しての体系的な勉強も必要で、カバーする範囲は膨大。
また、UPS機器を一元的に管理する事も重要。(←ここは正に、Networkエンジニアの職掌だと私は信じます。
ただ、残念ながらITエンジニアの中では、なぜか軽んじられています。)
私も、このLAN構築分野を専門に6~7年の経験があるが、未だ分からない事が多い。
有名SIベンダーのエンジニアでも、「ある特定の製品に関しては知識はとても深いが、実は基礎理論を押さえていない。」と言う人が意外に多い。
従って、ベンダー依存は危険で、私も、以前は、手抜きしてベンダーに丸投げしたが、結果としてNetwork障害が起きて、痛い思いをした事がある。
従って、最近は、基本的にSIベンダーには仕事を依頼しないで、自分で設定構築管理をするようにし、どうしても、自分でうまく設定できない時に、
問題点を絞った上で、そのエリアの専門家にHelpを求めるようにしております。
 
私見 : 技術的難易度 : 超高。
 
5)WAN構築管理
LANが社内Networkなのに対し、この分野は、Internetへのアクセスラインや、Internetそのものを管理構築する分野。
日本では、NTTやKDDIと言う一般に回線業者と言われる会社、全世界的には、かの有名なAkamai Companyがこの道のプロ中のプロ。
基本的に、国際Network網の構築が主業務となるので、海外の同業者(回線業者)との交渉力(英語力を含む)が必要。
ただ、LAN構築に比べれば、範囲は狭い。(専門用語で、Layerが低い。)
 
私見 : 技術的難易度 : 本当は、超超高だが、現実は、高くらい。
本当は、レベル的には「超超高」だが、NTTとかでも、こうしたレベルのスタッフはごく一握り。
つまり、ごくごく少数の天才的な人が、全世界のInternetをManageしている。
こうしたスーパーエリート以外は、LAN管理者ほどの知識は要らない。
(専門用語で、「WAN構築は低Layerの仕事。」と言う。)
 
6)データベース管理システム(DBMS)構築系
Oracleサーバー等のDBMSのプロとして、高い評価を世間で受けている。
理論書を読んで理屈を押さえる事が重要な分野。(と思う。)
理屈を押さえずに、コマンドだけ暗記している応用の利かないデータベースエンジニアが意外に多い。
理屈は、ロジカルでとても知的に面白いので、論理的な思考ができる人なら向いているかも。
 
私見 : 技術的難易度 : 超高。
本物は高いレベルであるが、なんちゃってエンジニアが多かったりもする。
 
7) プログラミング開発系
最近、各種開発環境がリリースされてきており、プログラミング開発が身近になりつつある。
私は、趣味でJavaプログラミングをしているアマチュアレベルだが、技術的にLAN構築やDBMS程、難しいとは思わない。
どれか一つの言語を、3ヶ月位で一通り学べば、他の言語にも応用が利くし、プログラマーとして、末端レベルの仕事もできるようになる。

私見 : 技術的難易度 : 中。
この分野こそ、一般の人が、「プログラミングなんて難しい。私には無理!」と誤った先入観を持ってしまう分野。
ただ、銀行員的なきめ細かい検査能力が必要。
(最近、開成高校の2年生が、5つのプログラミング言語を5ヶ月でマスターしたと話題になった。)
 
8)IP電話系
長くなるので、後日。
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という訳で、ITの仕事について一応書いたので、1)から8)までで、興味ある所を選びましょう!(笑)

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